『トヨタの片づけ』の内容と感想

どーもなのです!堕落ニト(@neeeet_dollar)でございます!

早速ですが、今回紹介する書籍はこちら!

『トヨタの片づけ』です。

こんな人におすすめ!

  • 仕事の効率や利益を上げたい人
  • トヨタ流の片づけ術を学びたい人

トヨタの片づけ

トヨタの片づけは株式会社OJTソリューションズによって書かれた本です。

株式会社OJTソリューションズとはトヨタとリクルートによって作られた会社であり、トヨタの歴史の中で培われた考え方やノウハウなどを、ほかの会社に提供するために作られたコンサルティングの会社です。

そのため、この本に書かれている内容はすべて過去にあった事例であり、とても実践的な内容となっています。

ただし、一般の家庭を片付ける、というものではないため、個人事業主でデスク回りを片付けたい、という方には読む価値があるとは思いますが、一般の主婦の方が読んだところでそこまで参考になることは少ないかと思います。

家庭の片づけを行うのであれば、もっと家庭の悩みに寄り添った片付けの本がありますのでそちらを参考にするとよいでしょう。

もちろん、この本で書かれている内容も応用できる点はたくさんありますので、まったく読む必要がない、ということではありません。

目次に書かれていること

『トヨタの片づけ』に書かれている目次は以下の通りです。

  • CHAPTER1:トヨタ流「片づけ」で仕事が変わる!うまくいく!
  • CHAPTER2:ムダを減らすトヨタの「整理術」
  • CHAPTER3:仕事を効率化させるトヨタの「整頓術」
  • CHAPTER4:トヨタ流片づけが「習慣化」する方法

大まかな見出しだけをピックアップしましたが、小見出しもあります。

実例を交えたうえで「片づけをすると効率が良くなります」ということを紹介してくれるので、非常にイメージしやすい反面、どうしてもモノづくりの現場である工場での話が多いため、参考にならないと感じることもあるでしょう。

しかし、大事なのはその片づけを取り入れたことによって、どのような効果が期待できるかという点ですので、しっかりと効果を見極めながら読み進めていく必要があります。

トヨタの片づけ論

トヨタでは、10秒以内に書類を出すことができないと「遅い!」と判断されるそうです。

デスクの上にうず高く書類の山がある、ということは電子化が進んだ現在では少ないかもしれませんが、目当てのファイルが迷子になることはよくあるのではないでしょうか。

片づけができていないと、以下の4つのムダが発生することをこの本では紹介しています。

  1. スペースの無駄
  2. 時間の無駄
  3. 間違える無駄
  4. 取りに行く無駄

トヨタでは何事も5S「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」からという考え方があり、片づけも仕事の内である、という考え方が根付いているそうです。

まず、片づけることが仕事の内という認識をしている人は非常に少ないのではないでしょうか。

「勉強を始める前に、机の周りが汚いからまずは片づけてからやろう!」

非常によく聞くあるあるです。しかし、トヨタではこれも仕事の内としてカウントされます。

このように聞くと「なんだ。トヨタって大したことないじゃん」と思うかもしれませんが、さすがトヨタ、そもそも片づけに対する考え方が違いました。

まずは多くの方が勘違いしているであろう、片づけについて解説いたします。

整理と整頓と整列の違い

「整」という文字が3個も並んでいるのでやめてくれ!という感じです。

しかし、ここを理解せずしてトヨタの片づけは語れません。まずは3つの言葉の違いについて紹介しておきます。

  • 整列:きれいに並べること、またはそろえておくこと
  • 整理:いるものといらないものを分けて、いらないものを捨てること
  • 整頓:必要なものを必要な時に必要なだけ取り出せるようにすること

先ほど話していた勉強の前に片づけをしよう!というほとんど、いやすべての人は、実際には「片づけ」ではなく「整列」を行っている、ということになりますね。

机の上がぐちゃぐちゃなので、まずは整列してきれいにしてから勉強をしたい、というその心意気はわかりますが、実際には大きなムダといえます。

なぜなら、またぐちゃぐちゃなることが約束されているからです。

整理整頓を行ってものを減らしていかない限り、モノの量は変わらないままに整列とぐちゃぐちゃを繰り返すだけなので、一向に机の上がきれいになることはおろか、さらにモノが増えていくので余計汚くなっていくでしょう。

モノを持つことはコストになる、ということをここでしっかりと認識しておくと、この後紹介する整理術を実践しやすくなります。

トヨタの整理・整頓術とは?

「これは、いつか使うかもしれない・・・。」

これはどんな人でもモノを捨てるかどうか判断するときに一度は頭に浮かぶことです。

いつか使うかもしれないものは、大概使わないまま引き出しの奥に追いやられることになりますが、トヨタでは許されません。

トヨタでは1週間、1カ月といった期限を設けることで、その期間内に使わなかった場合は処分するという明確な「判断基準」が設けられています。

実はこの「判断基準を設ける」ことこそ、モノを捨てるための基準になるものですので、非常に重要です。

また、あまり使わないけどないと困るもの、例えばセロハンテープなどは家族一人ひとりが自分のセロハンテープを持つのではなく、一家に一台という形でシェアすると物を減らすことにつながります。

ただし、このようにモノをシェアするときに、必ず決めておくことがあります。それは、モノの住所を決めておくことです。

常にあれはあそこにある、と決めておくことで、誰もがすぐに取り出せるようになるので、このシェアするものはモノの住所を決めておくことは非常に重要です。

もちろん、シェアするものだけでなく、自分のモノも住所をしっかり決めておくと、使った後に必ず元の位置に戻すという習慣が生まれますので、こちらも同時に実践するとよいでしょう。

習慣化の難しさ

トヨタでは掃除や片づけも仕事の内であるという考え方が定着している、ということはすでに紹介しました。

実は会社では習慣化は非常に簡単で、清掃の時間を業務に組み込むことで簡単に習慣化できます。「クリーンタイム」と聞くとピンとくる方もいるのではないでしょうか。

「毎週金曜日の朝は必ず15分間の清掃タイム」という感じで業務に組み込むことで簡単に習慣化が可能です。

しかし、時間を自由に区切りできる、個人事業主ではなかなか難しいかもしれません。そのため、デスクを始業前と終業時で同じ状態にしておく、という方法だと習慣化がしやすいようです。

また、理想として掲げられているのは「掃除しなくても済むしくみを作ること」であり、掃除は必要なものだけど、動きを最小限で済むように考えてみよう、ということも提案されています。

特に刺さった一文

人を責めるな。「しくみ」を責めろ

実はCHAPTER2の小見出しにもなっているのですが、これは人間の心理をよく理解した言葉だと思います。

「人はモノを隠したがる」という心理を持っており、特にミスした書類などの自分にとって都合の悪いものには特に顕著に表れます。

人はただでさえミスを認めたくないのに、ミスが明るみに出るとさらに責められる。ですので、トヨタではミスしたことを責めるのではなく、なぜミスが起きてしまったのか、という原因について追及するようです。

使うかもしれないものを取っておくのも同じで、捨てるための判断基準となるルールを作っておくことで、モノが溜まらないように工夫する、これも人間心理を上手に使ったトヨタの片づけだと感じました。

読書後の行動は?

まず、使うかどうかわからないものを1つに集めて、処分BOXを用意しました。

処分BOXには本やノートが入っているため、現状の積読本を処理次第、順次読んでいくことを決めています。

奈波の場合ですが、期限を設けてしまった場合は今捨てても期限前にすてても変わらないと判断してしまうため、すぐに処分する方向に動くので、期限を設けるやり方は採用しませんでした。

やり方は違えど、モノの処分について判断基準を設定することは非常に参考になった点といえるでしょう。

この本のおすすめ度

堕落ニト(@neeeet_dollar)には「★★★」と普通です。

読んだほうがいいかどうか、と言われるとどうしても一般向けというより経営者や工場長向けの本なので、万人に受け入れられるという感じではないでしょう。

星3つで読んでもよい

まとめ

『トヨタの片づけ』について紹介してきました。

この本はトヨタの歴史や経験の中で生まれた片づけの手法なので、実績に裏打ちされた確かな技術を紹介してくれています。

ただし、先ほども話しましたが経営者や工場長などある程度、実務において権限を持っている方でないと社内のカイゼンは難しいかと思いますので、ある程度読むべき人は選ぶと思います。

現在、会社の業務効率が上がらなくて悩んでいる、という方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

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